【あれがパドック…ウマ娘達が思い思いの姿を見せている】
アニータ「凄い熱気ね…それに、彼女達から必ず勝つという意思を感じるわ…特にあの5人の気迫が物凄いわね」
【アニータが注目しているのはあの5人だろうか?】
【セイウンスカイ、スペシャルウィーク、サクラチヨノオー、エイシンフラッシュ、ファインモーション…彼女達から特に凄まじい気迫を感じる。最早執念と言って良いほど…】

よー!こんなとこで会うなんて奇遇じゃねーかよ!
アニータ「エリオット、貴方来ていたの」
エリオット「そりゃ当たり前さ!何せウマ娘のレースだぜ?客との話のネタになるし、見てるだけで熱くなるし!こりゃ現地で見なきゃ損って訳だ!ところでそっちの優男風な奴はアニータのコレか?」
アニータ「そんな訳無いでしょう…私達は警護を任されているのよ、彼はその仕事仲間。貴方が思う関係じゃないわ」
エリオット「おっとっと!こりゃわりぃな!仕事の邪魔をするつもりは無かったんだが…」
アニータ「分かってるわよ、貴方もレースを楽しみに来ているのでしょう?なら思う存分楽しんでらっしゃい」
エリオット「そりゃ勿論!ところでお前さんの名前は?
ほうほう、○○って言うのか!俺はエリオット・ウィット!この近くでバーをやってるんだ、酒が飲める歳になったら是非遊びに来てくれよ?歓迎するぜ!そんじゃあ俺は失礼するぜ!」
アニータ「相変わらず騒がしい男ね…さて、ここからが私達の仕事よ。ウマ娘はフラッシュが苦手だから、二手に分かれて、そういう事をしそうな奴がいたら注意していく…始めましょうか」
⏰⏰⏰
【会場全体を見た後、ウマ娘達がゲート入りする様子を見て貴方はアニータと合流しようと思った…だが、彼女達の気迫を見て、このレースを見てみたいと思った】
【……何故か心がザワついている、このレースだけは絶対に見ろと、ザワついてしょうがない】
【でも、警備は仕事だ。ここは我慢しなければ…】
『各ウマ娘ゲートに入りました…スタート!』
⏰⏰⏰
ーー出だしは好調、私が先頭に躍り出たーー
ーー先行集団で怖いのはチヨノオーさんとファインさん…後方集団にはスペちゃんとフラッシュさんかーー
ーーこのまま行けば、私の領域が発動するけど…そう易々と行かせてくれないよねぇ!ーー
ーーでも、後方への牽制は私の得意分野だよ?ーー
⏰⏰⏰
ーーセイちゃんが先頭で、私の近くにフラッシュさんがいる。ーー
ーーフラッシュさんは後半になると、凄いプレッシャーを掛けて来るからそれに気を付けて、問題は先頭集団だーー
ーーセイちゃんだけじゃない、ファインさんやチヨノオーさんに追い付けないかもしれない、だから仕掛けるタイミングに気を付けて…確実に追い抜く。これを意識すれば…ううん、もっと思う事がある…ーー
ーー私が絶対に勝つ、そう思えば…勝てるーー
⏰⏰⏰
ーー……うぅ、レースの展開は予想よりもヤバいかもーー
ーーやっぱり独走してるのはスカイちゃんだよね、何度も戦ってきたから分かっちゃうなぁーー
ーー私が勝負出来るのはラスト300mから、それまでに順位をキープしつつ足を溜めて…最後に全員を抜くんだーー
ーーだって…この勝負は、絶対に勝ちたいんだから…!ーー
⏰⏰⏰
ーー……ここまでは、計算通りーー
ーーセイウンスカイさんが先頭を取り、射程圏内に捉えるようにサクラチヨノオーさんとファインモーションさんが追うーー
ーーそしてスペシャルウィークさんが、私の少し後ろに付いて、外から追い抜かせる位置につく。ーー
ーー私が出来るのは最内を通り、抜かす事ーー
ーーその為の布石は打ちました…後は、展開に身を任せ…私が勝利する事ーー
ーー……必ずーー
⏰⏰⏰
ーー凄いや、シャカールの言ってた通りの展開になった!ーー
ーー後は後半になったら領域を使ってスカイちゃんを抜かせば良い、距離が離れてなかったら私の方が後半の脚が上だってーー
ーーうん、大丈夫。私は落ち着いてる…スカイちゃんの牽制に焦らないで、このままのペースを維持して、最後に追い抜く。作戦通りに…作戦通りに…ーー
ーー…でも、本当に作戦通りになってるのかな?何か…違和感があるような…ーー
⏰⏰⏰
【……なんだろう、全体的にレースが可笑しい気がする】
【まるで、先頭にいる彼女が細かく揺さぶりをかけて後方の子達の意識を散らせてるような…そんな違和感】
【気にしないようにしても。それが気にしているという…まるでどんなに分かっていても嵌ってしまう。そんな感じが…】
もうすぐ最後のコーナーだ…!