名前:ジェイド・リーチ

海底50万マイル

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仔犬。寮へ戻る前にこっちへ来い。
(クルーウェルの手伝いをした後、真っ直ぐオンボロ寮へ戻ろうとしたら呼び止められた。素直に従うと、クルーウェルは薄く笑ってこちらの頭を撫でてきた)

飼い主に従順な仔犬はちゃんと褒めてやらないとな。
……他のバッドボーイどももお前のように素直なら少しは気苦労も減るんだが……。
まあ、今はそんな話をするべきではないな。
監督生、お前にこれをやろう。
(わしゃわしゃと撫でた後、髪を綺麗に整えてくれたクルーウェルは、指先を軽く振ってみせた。すると、どこからともなく紙袋がひょこりと目の前に現れる)

レーズンは苦手じゃないか?
一応、苦手な者でも美味しく食べられたとよく聞く店のものなんだが……。
真面目に頑張っているいい子にはプレゼントが贈られて当然の日だ。気にせず受け取れ。
……これからも適度にサボることは構わんが、後悔しないように学べよ。
(オンボロ寮へ戻ってから広げると、紙袋の中にはクルーウェルがよく食べているレーズンバターサンド……と、もう一つ、箱が入っていた。
 それも一緒に開けてみると、何だか高級そうな〝万年筆〟が出てきた……)