(薬をこっそり混ぜたものを渡して、良かったら感想が聞きたい……なんて言って食べることを勧めると、ジェイドは思ったよりすんなりとチョコレートを開封して、中の一つを口に運んだ)
……ふふ。
やはり、魔法薬の今後の課題は味ですねえ。
ただ、味を解決してしまうと何かに混入した時にわかりにくいので、今のままでもいいのかもしれませんが。
……ねえ?監督生さん。
(にこ、と微笑むジェイドは食べたチョコレートを飲み下したことを証明するみたいに口を開けて見せた。それからゆっくりと舌なめずりをして、ぎらついた眼差しを差し向けてきた)
何を混ぜたんでしょう。
……まさか命に関わるものってことはないでしょうから、残りはあなたにも食べていただきましょうか?
(するりと伸びてきた手がこちらの顎を捉えて、親指の先が唇を少し強引に押し開いてきた。随分と意地悪そうな顔をしたジェイドに素直に何を混ぜたのかを白状すると、微かに眉が跳ねた)
惚れ薬、ですか?
……それはそれは……ふふふ。
僕はこんなにもあなたのことが好きで好きでたまらないのに、その上でそんなものを飲ませたって何も変わりませんよ。残念でしたね。
しかし、それならあなただってこれを食べても何の問題もないはずですね?
さあ、口を開けて。
大丈夫、僕が食べて平気だったんですから。
……まあ、あなたの場合は不慣れな魔法薬の摂取で、少し酔った気分になるかもしれませんけど。
(ジェイドの親指の先がする、と口の中に入り込んで、舌を撫でてくる……)