名前:ジェイド・リーチ

海底50万マイル

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(名門校を謳うだけあって、図書館に並ぶ本の数は膨大で立派だ……。その中からめぼしいものを何とか探して、いくつかページを捲ってみる。
 大抵の場合、魔力は遺伝だと記載されている……のをゆっくりと読んでいたら、不意に影が落ちてきて、黒い手袋に覆われた指先がトントン、と机を優しく叩いた。顔を上げると、ジェイドがこちらを見下ろしていた……)

こんにちは、監督生さん。
何だか難しそうなお顔で一生懸命読まれていたので、何を読んでいるのかと気になってしまって。
……教えていただいても?
(持っている本を差し出すと、ジェイドはそれを受け取り、数ページ目を通したかと思うとこちらへ返してきた)

…………なるほど。
魔力の覚醒について、ですか。
既にお読みになったかもしれませんが、魔力というのは大抵が遺伝とされています。
魔法士の親は両親、あるいは片親が魔法士であることがほとんどだそうで。……とはいえ、もちろん例外はあります。
突発的な発現はいくつか報告があるはず。
……まあ、それも先祖返りや隔世遺伝だとする説が有力ですが。
それにしても、監督生さんは勉強熱心ですねえ。
遺伝経路や発現率、その他魔力に関する文献や論文をお探しなら、僕もお手伝いをしましょうか?
(そう言うと、ジェイドはマジカルペンを振って宙に浮いている本をいくつか手元へ引き寄せ、こちらの目の前へ積んだ)

……いえ。お勉強、というよりは……何か、魔力を得る方法を探していた、とかでしょうか?