名前:ジェイド・リーチ

海底50万マイル

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こんにちは、トレイさん。
今日はいい天気ですね。

ん?ああ、ジェイドか。
そうだな、洗濯物がよく乾きそうないい天気だ。……それで?
わざわざ呼び止めて、天気の話をしたかったってわけでもないんだろ?
何か用事か?リドルに伝言……なら、いちいち俺を通さなくてもお前達は同じクラスだし……副寮長間での業務連絡ならこの間したばかりだよな。


……おや。
さすがはハーツラビュルの副寮長、全てお見通し、といったところでしょうか。
ええ、天気の話なんてどうだっていいんです。
僕、今日が大嵐だろうと何だろうと、あなたにはきっと〝いい天気ですね〟と話し掛けたことでしょう。
穏やかに話し合い・・・・をするにはもってこいの日だと、そう思いませんか?
ねえ、トレイさん。

……悪いけど、今日の監督生の予定は俺が先に押さえたんだ。
その、全く穏やかじゃなさそうな話し合いとやらに応じるつもりは無いぞ。
…………何だ。
ジェイドでもそんな分かりやすく嫉妬するんだな?
意地悪だって思うだろうけど、俺だって可愛い後輩を構ってやりたいんだ。
一日ぐらいは譲ってくれてもいいだろ。
お前達の慈悲の精神ってやつでさ。


……それを言うなら僕だってあなたからすれば可愛い後輩の範疇では?

うーん……そうだなあ。
分かりやすく妬いて、わざわざ俺に噛みつきにくる辺りは確かに、可愛げがあるかもな。
監督生にはバレないようにこっそり牽制してるってのも、見方によればいじらしいと思えなくもないか。
……でもダメだ。監督生とは二人きりで、って話をしたんだ。
何でもない日のパーティーなら喜んでお前にも参加してもらったところだが、
……っと、そろそろ約束の時間になるな。
悪い、ジェイド。話があるならまた今度聞くよ。


……………………。