……ふふふ。おやおや。
そんなふうに一生懸命に威嚇されると、つい、うっかり、手が出てしまいそう……。
(カツ、と靴音を鳴らして歩み寄ってきたジェイドは、指先でこちらの顎を捉えて、くい、と上向かせてきた。見下ろしてくる色違いの目が鋭く光って見える……)
あなたがそんな顔をしたってちっとも怖くありません。
ただ可愛いだけです。……残念でしたね。
身を守りたいなら、真っ先に逃げるべきかと。
(瞳を細めたジェイドは間もなく手を離して離れていった。囁くように言うジェイドの口元から鋭い歯先がちらちらと見え隠れしている……)