(話がある、と言うとジェイドは頷いてついてきた。
自分たち以外に人が居ないことを確認して思いの丈を伝えると、ジェイドは息を呑んで眉を八の字にした)
……監督生さん。あなたのそのお気持ちはとても、……とても嬉しいのですが、僕とあなたでは生きる世界が違うでしょう。
僕に海があるように、あなたにも焦がれてやまない陸があるはず。
……僕、寂しがり屋なんです。もしいつかあなたが帰ってしまったらと思うと、悲しくて悲しくて。
今ですらこうなんですから、恋人になんてなってしまったらきっとあなたを送り出してあげられなくなってしまう。
それに僕たちはまだ学生です。生きる世界を決めるには早過ぎると思いませんか。
…………ね。ですから、その言葉はもっと大切にしまっておいて。
(そう言うとジェイドは手をこちらに伸ばして、けれど触れる直前で静かに下ろした。
アズールに前もって言われてはいたけれど、ジェイドは頷いてはくれなかった)
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