………………。
僕にそれだけのことを要求するなら、対価が必要です。
あなたはここを去った後、きっと何事も無かったかのように元の世界で生きていくのかもしれませんが、忘れるなと言われた僕はこの先ずっと、あなたを抱えて生きていくことになるのに。
……ええ、この先死ぬまでずっと、です。僕、約束はきちんと守る子なので。
僕のこれから全てを縛る呪いを残していくんです、あなたにもそれなりの覚悟がおありですよね。
……〝僕の生涯〟に釣り合う対価を、お持ちください。
それなら承りましょう。
(そう言うジェイドの声色にはまるでまとわりつくような湿度があって、こちらを見つめる瞳は海底のように薄暗く感じられる……)