(廊下で会ったトレイに、バレンタインだから、ということで手渡した)
……俺に?ありがとう。
これは……チョコレートか。それも薔薇の形をしてるんだな。
もしかして、ハーツラビュルだからってことか?
ルークから呼ばれてるあだ名から……っていうなら、ちょっと恥ずかしいけど。
それにしてもすごいな。ケイトが見たら写真を撮りたがりそうだ。
……ああ、いや、ケイトには見せないよ。
だって、監督生から俺へのプレゼントなんだろ?
せっかくなら独り占めしたいし、バレないようにこっそり食べるよ。
お礼は……そうだな、いつも何がいい?って聞いてばっかりだし、たまにはサプライズでもしようかな。
次の何でもない日のパーティーに来てくれないか?
とびっきりのお礼を用意しておくからさ。楽しみにしててくれ。
(トレイはそう言うと柔らかい仕草でこちらの髪をぽん、と撫でた)