おい、監督生。
(後ろから呼び止められたので振り返ると、セベクが居た)
ちょうど良かった。お前を探していたんだ。
お前達は何かと苦労をしている……と、若様が大層心を痛めておられたのでな。
足しになるかどうかはお前達次第だが、これをやる。
不要なら処分しろ。
用件はそれだけだ。
(そう言うとセベクはすたすたと立ち去っていった。
手渡されたのは随分と開いた痕跡のある本だ。……魔法に関する易しめの本のようだ。一緒に何かメモが挟んである……。
〝この程度では物足りないと言うなら図書館で以下の本を探してみるといい〟……という文言と共に、参考書のタイトルがいくつも書き連ねてある……)
(RA)