(単身で中庭をうろうろしていたツムを抱き上げて、外に出たいのかと尋ねると頷いて見せたのでこっちから出られるよ、と示して降ろしてやると、ツムは丁寧にぺこ、と頭を下げてから歩いて?いった。
それを見送っていると、不意に後ろから声がした)
おやおや。
まるで保護した動物を野生に帰す、感動的なシーンのようですね。
……こんにちは、監督生さん。
ツムさんと仲がいいようで何よりです。
ですが、可能なら外へ逃がすのではなく、僕のところへ持ってきてもらえると助かります。
何かあった時、責任を問われるのは僕なので……どうかよろしくお願いしますね。
(そう言うと、ジェイドはツムをひょい、と摘み上げて捕まえた)