僕が?あなたに?
必要性を感じないので嫌です。
それに、僕はあなたに乱暴なことはしたくないんです。
そのことをどうか……──。
(と、話していると、にわかに辺りが騒がしくなった。生徒同士の揉めごとのようだが、オクタヴィネルの生徒が被害者らしい。財布を取られたとのことだけど……)
……おや。騒がしいですね。
すみません、少しここで待っていてください。
(ジェイドがちらりと騒ぎのほうを見るのとほとんど同時に、財布を盗ったらしい生徒がこちらに向かって来るのが見えた。助けたほうがいいのかな、と考えていたら、ジェイドはため息をついて犯人である生徒に歩み寄り、勢い良く脚を振り上げた。何か鈍い音がして、周りの生徒たちはヒュ、と息を呑んだ。
財布を盗った生徒は起き上がってなおも逃げようとしていたが、それよりも早くジェイドが彼の胸ぐらを掴んで起こした)
あなた、2年のレスター・エドワーズさんですね。
近頃、オクタヴィネルの生徒があなたに随分と可愛がっていただいているそうですね?
そのお気持ちは大変ありがたいのですが、あまりうちの寮生の気を削がれるとこちらとしても困るので、盗ったものは返してくださいますか?
……は?それだけじゃないでしょう。
全部、出してください。
自ら出さないなら揺さぶってでも出させるまでですが……どちらがマシかは、お分かりですよね?
(絵面が完全にカツアゲだ……)