名前:ジェイド・リーチ

海底50万マイル

⋆⸜♡⸝⋆


(バレンタインなのでどうぞ、とアイスボックスクッキーを渡すと、真っ先にフロイドが手を伸ばしてきた)

オレらにもくれんの?やったー、小エビちゃん優しいねえ。
バレンタインって、この辺じゃ男から女にあげんのが普通って聞いてたからちょっとびっくりしちゃった。
んー、うんうん、美味いじゃん。

(何の躊躇いもなくクッキーを口の中に放り込んで咀嚼するフロイドを、呆れた様子でアズールが見ている……)

フロイド。立ったままものを食べるのはやめなさい。
すみません、フロイドが……フロイド。座れって言ってるだろ。座れ。
……んんッ。失礼。わざわざご丁寧に僕たちにくださるだなんて、あなたはなんてお優しい人なんでしょう。
せっかくですからお茶でもいかがですか?
ジェイドに淹れさせましょう。……フロイド。全部食べないでくださいよ。おい、聞いてるのか。

(にこにこと営業スマイルを浮かべながら話すアズールは、時折クッキーを食べているフロイドにまるで親のように注意を挟みつつ、ラウンジの空いているテーブルを示した。
 再三の注意でようやくフロイドはソファーに落ち着いたようだ。
 ……後ろでジェイドがくすくすと笑っている)

監督生さん、どうぞこちらへ。
返礼になるかはわかりませんが、あなたのためにとびきりのお茶を用意しましょう。
(丁寧に席へ誘導するジェイドに従って座ると、少し離れたところに居たはずのフロイドが隣に移動してきて、渡したクッキーの一つを口元に運んできた)

はい、あーん♡‬
……ふふ。じゃ次オレの番ね?
小エビちゃん食べさせて〜♡‬


あ。ずるいですよ、フロイド。
その次は僕にもお願いできますか?
監督生さん手ずから食べさせていただけるとより美味しく感じられそうなので。

お前たち、浮かれウツボになるのも大概に……ああ、もう……。
(アズールの深々としたため息が空気を揺らした)

アズール先輩にもあーんしよ