名前:ジェイド・リーチ

海底50万マイル

⋆⸜♡⸝⋆


(駄菓子なら受け取ってくれるだろうかと思い差し出すと、イデアは心底驚いた様子で辺りをきょろきょろと見回した)

エッ、あっ、えっ……ぼ、僕?
う、嘘でしょ、実は後ろとかに仲良しの誰かが居るとかいうオチでは?自意識過剰乙wとかなりたくないんだが……!?
(どこを見てもここにはイデアしか居ないし、こちらは真っ直ぐにイデアに渡そうとしているのだけど……と思っていたら、周囲の確認をし終えたらしいイデアがそれでもなおこそこそとした仕草でほんの少しだけ歩み寄ってきた)

……ほ、ほんとに?僕に?ま、間違ってない?
も、もし、誰かに渡してほしい案件なら人選ミスにもほどがあるっていうか……あの、…………な、何で?
今日って別に僕の誕生日でもないし、何かの記念日ってわけでも…………。
(バレンタインなので、と添えると、イデアは体感で5センチくらい跳ね上がった。……気がする)

ッば…………っえ!?
そっ……あっ……イヤッ……マッ……ちょ、ちょっと待って、一旦深呼吸させて。
…………ッスー…………。

はいオッケーです。
く、くれるなら、ありがたく貰っとこうかな……え?駄菓子?わざわざ拙者の好みに合わせていただいて……どうも……。
ご、ごめん、気の利いたこととかひとっつも言えなくて……そもそも陰キャである拙者にこの手のイベにおいてセンスある返しとか期待するだけ無駄ってもんですけど……。
……ありがと……う、嬉しい。それは本当だから……。
(ゆらゆらと揺れる青い髪の端々がうっすらと淡く赤くなっているのがわかる……。

 しばらくした後にオルトからメールが届いたので何かと思い開封すると、音声データが添付されていた。再生してみると、「エ!?チョコレート入ってるゥ!!!!」というイデアの声の後に、オルトの「兄さん、監督生さんからのプレゼント、とっても喜んでるよ。ありがとう!ふふふ」というちょっとイタズラっ子のようなひそひそと話す声がした)