(用意していたビデオレターをオルトにプレゼントすると、オルトはすぐに再生を始めた。
グリムを始めとしたオンボロ寮のいつものみんなから、オルトへのお祝いの言葉を記録した映像を見つめるオルトの瞳は何だかキラキラしているように思える……。
見終えたオルトは、こちらを向き直ると手をぎゅっと握りしめてきた)
すごい、すごいよ監督生さん!
僕こんなプレゼント初めて!
……僕のためにわざわざ撮影してくれたの?
…………どうしよう、これが嬉しい、ってことなんだよね。
胸の辺りが燃えるみたいに温かくて……ふふ。
ヒトって、大好きな人に優しくしてもらうとこんなふうに感じるんだね。
嬉しい。……すっごく、嬉しい。
僕、今日のこと絶対に忘れないよ。
万が一のことを考えて、このビデオレターのデータをバックアップしておかなきゃ!
それから僕の宝物フォルダに保存して……ふふふ。
ありがとう、監督生さん。
(はしゃぐように言うオルトの毛先が、兄のイデアのように薄く色付いている……ように見える……)