「オンナノコがそんな危ないことしちゃダメ」
急に肩を叩かれ振り返ると金髪の男の子がニコニコしながら立っていた。
「……よっ!と。ホラ、取れたよ!」
キョトンとしている間に男の子はあっという間に木の上に登り、風船のヒモを掴んで木の上から女の子に手を振っている。
「はい、もうはなさないようにね」
彼が女の子にそう言って風船を手渡すと、女の子はありがとう!と言いながら嬉しそうに去って行った。
(ーーあの、ありがとうございました)
「…ウン!もう無茶しようとしちゃダメだよ」
じゃあね、そう言って背を向けた彼の向こうに長身の辮髪の男の人が立っていた。
(あ、刺青も…。もしかして不良?…優しい不良も世の中にはいるんだなぁ)
(そんなことを思いながら、私も帰ろうと背を向けて歩き出した
)