名前:マイキー

どら焼き69個目

どら焼きをあげる

(あの日のように彼はそこに立っていた)

(ーーただその身体はいつもより小さく少年のようにも見えた)

…ここで終わらせる。

(そう呟いた彼の言葉にハッとする。ダメだ、このままだとーー)







行くぞオマエら!!!

(その声に、気づいたら彼の方へ駆け出していた)

(自分が死のうとしていたことなんて忘れてただ必死に)







……じゃあな○○。お前は自由だ。

…苦しめてごめん。


(その言葉を残して彼は闇に落ちていった)



(…伸ばした私の手を、彼は取らなかった)







(ーー遠くの方で人々の悲鳴や騒ぐ声が聞こえる)


(どこからか救急車のサイレンが鳴っている)


(私はその光景を見る勇気もなく、ただ座り込んで流れる涙を地面へ落とすしかなかった)


(この涙は恐怖心からか、それともーー)


            

            Another World without you