(あの無敵のマイキーが、風邪をひいた)
(…そりゃそうだろう、食べないし寝てないんだから免疫力も下がるはずだ)
(…それに気付いたのは、朝から彼が「うん」しか言わなくなったから)
(不審に思い顔を見やるといつも色のない彼の顔が心なしか赤く染まっている)
(おそるおそるおでこに手のひらを当てる、どうやら熱があるらしい)
…さむい。
(とりあえず寝かせよう、そう思ってほとんど使われていないマイキーの寝室に手を引こうとした)
(ーーぐい、)
……やだ。…あっち。
(マイキーが指差すのは私の自室。いやいや…)
はやく。
(駄々っ子のようなマイキーに反論しようとする前にズルズルと引きずられ)
(……そしてなぜかいま私は抱き枕にされている)

(私を布団の中に引っぱり込んだあと、彼はすぐ眠ってしまった)
(…今日くらいいっか)
(抱え込まれた背中に彼の鼓動を感じながら、いつもと違う弱い姿を見せる彼に何とも言えない感情を覚える)
(…私も随分絆されてるなぁなんて考えながらそっと目を閉じたーー)