……おかえりぃー。
(朝、家に戻ると玄関で蘭ちゃんが床に座って待っていた)
遅ぇんだよ。メールも返ってこねーし電話しても出ねーし。…ハラへったぁ。
(そう言われケータイを見ると確かに蘭ちゃんからの連絡が何件も入っていた)
(…ごめんね、冷蔵庫に作り置きがあるから食べればよかったのに)
ひとりで食っても美味くねぇじゃん。いや…美味ぇけどさ、俺は○○と食いたいのー。
(そう言ってずしりと背中に被さってきた蘭ちゃんが、急にピタリと動きを止めた)
あーー、…そーゆうコトかぁ。
男と寝てたんだ、お前?
(いつもより冷たく低い声に背中がヒヤリとする)
…寝ようが何しようがどーでもいいけどさぁ、
せめてニオイは付けて帰ってくんなよなー。
俺以外の匂い付いてたらヤキモチやいちゃうだろ?
(ペットは鼻が利くんだからなー、そう言いながら横をすり抜けて部屋に入っていってしまった)