…この下駄、かわいーね
自分で選んだの?アンタによく似合ってる
下駄だけじゃなくて、浴衣も、髪飾りも、ヘアメイクも、全部可愛い
俺たちがこの前浴衣姿見たいって言ったから気合入れてきてくれたんだろ?
ありがとな。すげー嬉しい
俺らのためにおめかしして、足痛くなっても我慢して気ィ遣ってくれて、その気持ちが嬉しいよ
○○さん。アンタやっぱり、本当に綺麗だな
っ、…お待たせ!悪ィ、この周辺人だらけでコンビニも混んでて…
買ってきたぜ、絆創膏…と、消毒液
蘭「遅ぇよ。早く○○さんに貼ってあげな」
……うん!
(蘭が場所を空け、今度は竜胆があなたの目の前に跪いた)
○○、ちょっとゴメンな
消毒するから少し染みるぞ
(足を持って傷口にドバドバ消毒液をかける竜胆)
蘭(…コイツ、一本丸ごと使い切るつもりか?)
(消毒し、血が出ていたところに絆創膏を貼って…)
これでヨシ、と!
○○、どう?これで大丈夫そ?
(うん)
なら良かった
ふー…走って汗かいた。あちー
(あなたの右隣に座り、浴衣の前を寛げる竜胆。ちなみに左には蘭が座っている)
○○…さ。さっきはゴメンな、怒鳴ったりして
怖かったろ?
オレ、お前が足ケガしてんの見た瞬間悲しくなったっつーか…すげぇイラついちまって
どうして我慢なんかしてたんだよ、こんなになるまで何も言ってくれないなんて、って…頭に血が上って、そうしたら…
…ホントにごめん。あんな言い方して、悪かった…
(すり、と謝るように頭を押しつけてくる)
(こっちこそ、ごめんね。ずっと黙ってて)
ううん。気付けなかったオレもオレだから
…はー、やっぱさ。さすが兄貴だよな
こういう時はさ、真っ先に気づくのが兄貴のほうなんだ。悔しいけどカッケーよなぁ
蘭「そうだろそうだろ。もっと兄ちゃんを敬え」
ハーイめちゃくちゃ尊敬してまーす
蘭「世界で一番?」
世界一でーす
蘭「ははっ、知ってる♡」
……はぁ
(竜胆がため息をついたその時、ヒュルル…と変な音が鳴り)
あ…
蘭「おお」
(三人で夜空を見上げる。花火が始まった)
(…いけない!もうこんな時間に、っいた!)
蘭「おいおい、素足で立つなって」
今手当てしたばっかだろ?忘れたのか?
蘭「こんな足で会場まで行けるわけないだろ。もういいから今夜はここで見よ」
少し遠いけど、ここからでも充分綺麗だぜ
それに…ほら、ほとんど人がいねぇからオレらだけで静かに見れる
蘭「サイコー。特等席じゃん?」
(蘭に肩に腕を回され、竜胆に手を握られて打ち上がる花火を見た。物凄く綺麗で、足の痛みなんか忘れて見入ってしまった。
…また、三人で来たいな)