(デートから帰ってきてから竜胆が変だ。
私にぴったりくっついて、無言でぐりぐりと胸元に頭を押しつけてくる)
(な、何…?どうかした?)

別に

(そう言って頭を押しつけ続ける。しばらく経ってから動きを止め、ぽそりと呟いた)

…さっきさぁ、○○に道聞いてきた男いただろ
あの冴えない男

(ああ、あの感じのいいサラリーマン風の人…

って、もしかしてヤキモチ?)

(なるほど。それで機嫌が悪かったのか、と納得する)

…だってオレと全然違うんだもん
人当たりが良くて、マジメそうで…なんつーか、

…あんま言いたくないけど『大人』って感じの大人の男だった

そんな奴とお前が和やかに話してるもんだから、割って入っていくことも出来ねえでただ黙ってオマエらのこと見てるしかなかった
悔しいけど、あの男と一緒にいる○○見てお似合いだなって思っちゃったんだ

ああいう男と付き合って結婚したら、きっと○○も幸せになれるんだろうな。…オレみたいに、あんなことしないんだろうなって


…私、竜胆のこと好きだよ。
竜胆とお似合いになりたい
…あんなこと?
今の私が幸せそうじゃないって?(怒)

…あのさ、あの人の薬指見た?
竜胆は私に愛されてる自覚が足りないね
私は今日、竜胆とデートして幸せだったけど、竜胆はちがうの?(なでなで)
りんちゃんとはね、正反対だからお互いに足りないところを補って生きていけるんだよ

馬鹿だねぇ…どんな人だろうと、竜胆にその人の方がお似合いだと思われようと、一緒に居たい隣を歩きたいって思うのは竜胆だけなのに…本当馬鹿。
頭ぐりぐりされる