オマエ、何その頭

竜胆『あ?頭?』

髪型!30でマッシュウルフ?ハッ、女ウケでも狙ってんの?○○がいんのに?だっせ!キモ!

竜胆『正確にはまだ29な。ギリギリまだ20代だから』

ほとんど変わんねーだろッ

竜胆『女受けはどーでもいいけど○○受けはいいぜ。カワイイ!似合ってる!ってよく撫でてくれるし』

え、マジ? …じゃなくて!
お前カワイイって言われて喜んでんの!?嘘だろ!やっぱオレじゃねえ!

竜胆『うるせェなぁ。べつに嬉しい訳じゃねーけど…12年だぜ?12年間ずっと言われ続けてたら流石に慣れるし、褒めてもらえんならもういいかなってなっただけだよ。…女の「可愛い」は愛情表現なんだって兄貴がよく言ってたけど、この歳になってようやく分かった気がする」

…。

【納得いかなさそうに、ギリ、と歯を噛み締める竜胆】

(お待たせ、です。えーと……りん、さん?)

竜胆『なーにそれ可愛い〜!』

(きゃあっ)

【テーブルにコーヒーを置いたら何故か感極まった様子の彼に思い切り抱きしめられた】

!! ○○っ!!

竜胆『あーもうマジでカワイイ。何?りんさんって』

(お、同じ呼び方だとややこしいから……それに今の私より年上、なんですよね?)

竜胆『そーだけど敬語なんか使わなくていいよ。○○、オレの女なんだし』

あ゛!?

蘭「オレらの、な〜」

竜胆『でもりんさん呼びは気に入った。12年後の○○もずっと呼び方りんちゃんだからさ、なんか新鮮』

(そ、そうなんだ…)

竜胆『なぁなぁ早くここ座って。隣』

(えっ?でも…)

【チラ、と蘭ちゃんとりんちゃんを見る】

蘭「いーんじゃね?座ってやれよ」

兄ちゃんっっ!!

蘭「別にいーだろ。他人じゃなくて未来の自分(オマエ)なんだし」

尚更ヤだよ!!なんでオレの目の前でオレと○○がイチャついてるとこ見なきゃ…

蘭「あ、そういや今日って可燃ゴミの日じゃね?」

は? …ああ、そうかもしんないけど別にいいだろ。次まとめて出せば…

蘭「駄目だ今すぐ行ってこい」

はああ!? 今、って…

蘭「何袋も溜まったら部屋が臭ってくんだろ。ほら早く!8時までに出さねえと!」

あああああもおおおおお!!

(りんちゃんが急に絶叫して部屋を飛び出して行った。どうしたんだろう…?)






なぁ、兄貴が○○を呼び捨てにしてるってことはさ……アレの後、なんだよな?

(アレ?)

その……、オレの携帯の中身、もう見た?

(ああ!うん、半年前くらいに二人から聞かされたよ。今は3人でお付き合い中)

そっかぁー良かったぁ

【くたりと体の力が抜けたようにソファの背もたれに寄りかかって笑うりんさん】

(あの…、未来の私はまだ2人と一緒にいるんだよね?)

まだ、って何だよ(笑)
オレは永遠に一緒にいるつもりだけどー?

(どっちかと結婚、してるの?あと子どもとか…仕事はどうなってるのかな)

……んー。言ってもいいんだけど、どうしよっかなぁ

(りんさん…?)

やっぱヒミツ!今ここで言っちまったら一つ一つの思い出や感動が薄れちまいそうだし、下手したら未来が悪い方向に変わっちまうかもしれないだろ?
だからさっきも兄ちゃんに言ったけど、将来のお楽しみにしといて。な?

(…)

そんな顔すんなよ。少なくともこっちの時代の○○は幸せに暮らしてる……筈だから

(フフッ、どうして自信無さげなの?)

やー、オレの目には幸せそうに見えるってだけで本当は違ったらどうしようとか一瞬考えちまった

(そこは言い切ってよ。私を好きでいてくれるなら、ね?)

うん……

【ぎゅ、と控えめに抱きしめられた。耳元で「今はオレより年下なのに……やっぱオマエには敵わねえなぁ」と小声でつぶやいたのが聞こえる】

蘭「イチャイチャ中申し訳ねーんだけど」

うわッ!

蘭「オマエこれからどうするつもり?」

どうするって……あ、

蘭「その顔。やっぱ何にも考えてなかったな?」

(そっか…いつ未来に帰れるか分かんないんだもんね。下手したら長い間こっちにいるって可能性も…)

……ヤベ。その辺全然考えてなかった。うわどうしよう
兄ちゃん、しばらくっつーか戻れるまでここに置いてくんね?

蘭「いいよ」

(早ッ! 即答!?)

蘭「そん代わりこの家の家事はちゃーんと手伝ってもらうぜ。次のゴミ出しオマエがやれよ」

またオレなのかよ…まぁいいけど

蘭「風呂掃除と便所掃除もな」

……いいけど

蘭「あと掃除と洗濯も」

全部じゃねえか!!

蘭「アハハハハ」

(な、なんか大変なことになっちゃったな…)


通竜×♀×△竜2