【あの日、りんちゃんと蘭ちゃんの抱えてた秘密を知り、2人を受け入れてから半年後…。
昨日は灰谷家にお泊まりの日だった。3人で晩ご飯を食べて、蘭ちゃんとお風呂に入って(お風呂の中で指と舌で何回もイかされた。のぼせるかと思った)夜はりんちゃんと2人で同じベッドに眠った(エッチをして、怒涛のように攻められたから気絶するように眠ってしまった)
…いつもと同じお泊まりの流れだった。
目が覚めてから、私の隣にりんちゃん以外の知らない男性が眠っているという事実さえ無ければ】
(りっ、りりり、りんちゃん…!)
んー…?なぁに〜○○…今日シゴト休みだろ?なら別に早起きしなくても…
(そうじゃなくて!起きて!)
…何だよ?
【りんちゃんが目を擦りながらのろのろと起き上がる】
(と、となりに知らないひと、が)
…ハァっ!? 誰だよコイツ!!
【目を見開き、私の体に巻きついている太い腕(りんちゃんより筋肉質だ。すごい)を無理やり引き剥がし、「○○、下がってろ!!」と叫ぶりんちゃん。私は言われた通りベッドから急いで起き上がり、部屋の隅っこのほうまで距離を取った。…そこで、ふと気付く】
(あれ…あの人の右腕、りんちゃんと同じ
刺青があるような…)
【そこまで考えたところで、知らない男性がもぞもぞと動き『う〜ん…』と声を発した。りんちゃんはその人の目が開いたのとほとんど同時に、男性の顔に向かって殴りかかろうとする】
『っ!? うわっ、ちょッ…』
チッ!
【すんでのところで避けられた。りんちゃんは舌打ちをして、すぐさま相手のお腹に蹴りを……入れようとしたが、それも手で止められてしまった】
何なんだよテメェ!!どこのどいつだ!!
『えっ? えっ?』
【ブチ切れて声を張り上げるりんちゃんに、男性は目を丸くして困惑した様子を見せた。『なんだコレ?夢か?』とかブツブツ言いながら視線を彷徨わせていると、部屋の隅で大人しくしている私を見た。バチっと目が合う。きれいな、パープルの瞳。わたしの大好きなーー】
『○○?』
は?
(えっ?)
なに……○○の知り合い?
(いや!知らない知らない!)
テメェ…○○をどこで知った?ヒトんちまで来てオレの女付け回しやがって。気色の悪ィストーカー野郎が!
(りんちゃんそれブーメラン)
『ひとんち?』
【男性は『へ?』という顔をしながらりんちゃんを見て、次にこの部屋を見回してーー】
『いや、オレの家でもあるから』
あぁ?
『うわ懐かしーなー!そうそうこの部屋、ここでオレずーっと寝てたんだよな。この狭ェベッドで○○と二人でくっついてさー。つか、』
(ベッドから出てこっちに歩いてくる。私の前まで来て、ずい、と顔を近づけてきた)
『かわいい。やっぱりオマエはいつの時代でも可愛いなぁ』
(えっ…?)
オイ!!
(怒ったりんちゃんがその人を引っ張り、私から離れさせる。盾になるように私の前に入ってくるりんちゃん)
さっきからワケ分かんねえことばっか言いやがって…ボコボコにされたくなかったらさっさとこの家から、「うるせーなー」
(ガチャ、とドアが開いてそこから覗いてくる顔……蘭ちゃんだ。蘭ちゃんが眠そうな顔で部屋に入ってくる)
蘭「オイ竜胆、兄ちゃんの安眠妨害したら○○は貰っていく……、」
『兄貴!』
蘭「あ?」
【蘭ちゃんは眉間に皺を寄せ、兄貴、と叫んだその人を見た……かと、思えば】
……りん、どう?
【目を見開き、弟の名を口にする】
竜胆「いやオレこっちだから」
いや、そーじゃなくて……は?
『さっすが兄ちゃん。一目でオレだって分かったかぁ』
竜胆「うっっせェなテメェさっきから何なんだよ!!テメェの兄貴じゃなくてオレの兄貴だっつの!!」
『うるせーのはオマエだって。鈍いなァ、いい加減気付けよ悲しくなるから』
竜胆「はぁ…? ワケ分かんね、何言って…」
【蘭ちゃんが眉を顰めたまま、「竜胆」と呼んだその人へ向かって一歩近づく】
……俺の誕生日は?
『1987年5月26日双子座』
好きな食いモン
『モンブランと○○が弁当に入れる赤いタコウィンナー』
コイツ(と言って竜胆を指差す)が寝小便しなくなった歳
『…………7歳』
コイツ(と言って竜胆略)の尻の蒙古斑が完全に消えた歳
『さっきからヤな質問してくんなぁ!……10歳だろ。確か小4の頃』
竜胆「待て待て待て!!オイ、なんでテメェがそんなこと知ってんだよ!?誰にも言ってない筈だぞ、○○にすら……、」
【そこまで言って、は、と息を呑むりんちゃん。
りんちゃんと同じ髪色、同じツリ眉にタレ目。……そして同じ右半身の刺青。
まさか、と思い、りんちゃんのほうを見ると、彼も私と同じことを思っていたようで、口をポカンと開けたまま『彼』を見てた】
『そ。オレ竜胆。未来の、な』
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