…………ごめん
(コーヒーと割れたマグカップを全て片付けた頃、聞こえるか聞こえないかくらいの小さい声で竜胆がそう言った)
(いいんだよ。それより竜胆は大丈夫?派手に転んでたけど…怪我とかしてない?)
…オレは…大丈…
……っ
(座りながら膝を抱えて、とうとう泣き出してしまった。
私は彼の頭を抱き締め、宥めるように撫でてあげる)
オレ…オレッ…、お前に美味いコーヒー飲ませようと、飲んでもらいたくて…
なのにこんな…カッコ悪ィ上に迷惑かけて、マグまで割っちまって…っ
っ、も、やだ…もう、死にたい…!
オレなんか、生きてたって…
(私の胸の中でブツブツ言いながら号泣してる)
(…竜胆、よく聞いて。ね?)
…?
(私はね、君が私のために一生懸命コーヒー淹れてくれたことが嬉しかったんだよ。だから今回のことは全然気にしてないの。
マグカップは今度新しいの買えばいいし、コーヒーだって淹れ直せばそれで済む話でしょう?
そんなに落ち込まなくていいんだよ。だからもう泣かないで)
(そう、出来るだけ優しくゆっくりと竜胆に伝えれば、彼は膝から顔を上げてこっちを見た。
わぁ、綺麗な顔が涙でぐちゃぐちゃ…)
○○… オレのこと、許してくれるの?
(勿論。私のためにコーヒー淹れてくれてありがとう。良かったらまた淹れてね)
…っ、○○…!
(ぎゅっ)
う、うう…ッ 好き、○○好きっ
(「だいすき…けっこんして…おねがいおねがいおねがいおねがいおねがい」と言いながら強く抱きついてくる。い、痛いしちょっと怖い…)
竜胆が淹れたコーヒー2