お待たせっ コーヒー淹れてき…

(湯気が立つマグカップを持って小走りで寄ってくる竜胆。そんなに慌てたら危ないよと言おうとした瞬間、足が絡まったようで前方につんのめり…)

(バッターーーン!!)
(ビシャアアアアア!!)

(……派手に転んで、床にコーヒーをすべてぶち撒けた)








(…)

(竜胆も私も何が起こったのか分からなくて、一瞬ポカンとしてしまったが、次第に竜胆の顔がサーッと青ざめていくのに気付いた)

…あ… お、オレ…ッ

(上体を起こし、目の前の有り様を見て慌てふためく。ここまで動揺する彼を見たのは初めて、というほどあたふたしている)

○○…ごめん…ごめ…、

(震える声で割れたマグカップに手を伸ばす竜胆)

(だめ!触らないで!)

っ…

(驚いた竜胆が泣きそうな顔でピタッと静止する。
私は彼に駆け寄り「危ないから触っちゃダメ。怪我するよ。割れた破片がその辺に落ちてるかもしれないから動かないでね」と伝えてから雑巾やら軍手やらを持ってくる。

「私が割れたもの片付けるから、竜胆は床拭いてくれる?」と言って竜胆に雑巾を渡す)

う、うん…



(割れたマグカップを片付けてる間、竜胆はずっと泣きそうな顔で床を拭いていた)


竜胆が淹れたコーヒー1