どぷ、

「はは、すげぇ。見ろよ竜胆。ひっきりなしに出てくる」

 意識がない彼女の股の間から白濁が溢れ出て、冷たいフローリングの上を濡らす様を見て笑みが溢れた。
 俺と竜胆でそれぞれ3回は出したもんなぁ。後で薬飲ませねえと。

 自分の部屋から持ってきた煙草に火をつける。肺いっぱいに煙を吸い込んでから、ふう、と吐き出した。
 彼女の前では滅多に吸わなかった。でも、もうどうでもいい。吸っても吸わなくてもこれから先、彼女が自分を好きになる日は来ないのだから。

 竜胆は、さっきからひと言も口を聞かない。ずっと同じ体勢で、黙って彼女の顔を見ている。
 ……こっちに背中を向けているから、どんな表情で見ているのかは分からないが。

 彼女の有り様は、ひどいものになっていた。
 最初に俺が殴ったせいで頬は赤く腫れ、首や胸は俺たちで執拗につけた鬱血痕と噛み跡だらけ。下腹部は精液と僅かな血で塗れている。

 もう二度とタコ型のウィンナーが入った弁当なんか作ってくれねえんだろうなぁ。
 短くなりつつある煙草を咥えながら、ぼんやりとそんなことを考えていると、竜胆がおもむろに動き出した。
 何をするのだろうと眺めていると、鈍い動きで彼女に近づきーー

「……」

 唇に、ふれるだけのキスをした。

「ごめんな」

 意識のない彼女の体に覆いかぶさるように抱きしめる。

「ごめん……ッ、ごめん……」

 あいしてる、と最後に呟いて、とうとう泣き崩れた。

「……謝るくらいなら、最初からやるなよなぁ」

 本人に届かぬよう小さく発した声は、立ち上がった紫煙と共に、暗闇の中に溶けていった。



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梵天ルート5