(…)
ん、兄ちゃん…
蹴んなって…痛いから…
(…?)
(目を開けた先には、竜胆がいた。
私の胸元に顔を寄せながら眠っていて、妙な寝言を呟いている。
…さっきのは、)
(竜胆を起こさないようゆっくり体を起こす。
周りを見回すと外は明るく、カーテンの隙間から日差しが漏れていた。
もう一度竜胆を見ると隣でスヤスヤ眠っている)
(……夢、だったらしい。
なるほど、だから母乳が…と納得してしまった。
恐らく、昨夜同じベッドで眠った竜胆がいつの間にか胸にすり寄ってきてたせいであんな酷い夢を見たのだろう。
安心して、ふうと息を吐いた)
(夢で良かった…けど、
……今度から彼を子供扱いするのは、出来るだけ控えよう)