任せろ、○○
オレが好きなもん取ってやる
(腕捲りし、銃を持って構える。蘭が「きゃー竜胆かっこいーガンバレー」と棒読みで応援する)
何が欲しいの?あのぬいぐるみ?
りょーかい。ちょっと待ってな
…
(竜胆が狙いを定めて撃つと、一回目はぬいぐるみの耳に当たったが少し揺れる程度で終わった。
チャンスは後二回。私は固唾を飲んで見守る)
(…)
…
(二回目も三回目も命中はしたが、ぬいぐるみはぐらぐら揺れるだけで倒れなかった。店主が「おニイちゃん残念だったなぁ!」と笑う。
「竜胆、ありがとう。もういいよ」と言って彼の袖を引くけど、竜胆はじっと景品を睨んだままその場から動かなかった)
兄貴、これって…
(竜胆がちらりと兄を見ると、蘭は「ああ」と返事をし、店主のほうへ向かって歩き出した。
コソコソ話をするように小さな声で何か話し始めると、店主の顔色が明らかに変わったのが分かった。驚いたような表情で蘭と竜胆を交互に見る。
会話を終えた蘭が戻ってきたので「どうしたの?何かあったの?」と尋ねたタイミングで、店主から「おネエちゃん悪ィな!今使った銃の調子イマイチみてえだったからこれサービスするわ!ほら持って行って!」とさっき当てようとしていたぬいぐるみを渡された。
えっ?えっ?とこっちが混乱していると「はい、ついでにこれも!」とお菓子の箱や小袋まで渡してくる。状況についていけずポカンとすると、隣にいた竜胆に「貸して。オレ持つ」と言われ景品を取られた)
行くぞ
蘭「思ったよりデケーな、そのクマ」
ああ。赤ん坊抱えてるみてぇ
(二人に急かされるように歩き始める)
(…本当にいいのかな、こんな色々貰っちゃって)
蘭「いいんだよ。サービスだって言ってたろ?」
そーそ。これくらいのことしてもらわなきゃオレら怒り狂って店で暴れてたかもしんないし
(そ、それはやめてほしいな…
ところで蘭さん、さっき店主のおじさんと何話してたの?)
蘭「あー、アレ?まあ天気の話とか?どう、儲かってるー?みたいな?」
(語尾にずっとハテナがついてる…)
いいんだよ○○はそんなこと気にしなくて
それよりこのクマ、ゲットできて良かったな。欲しかったんだろ?
(うん、ありがとう)
蘭「なんかビミョーに可愛くねぇけどな。こんなもんよりもっとちゃんとしたテディベア今度やるよ。一緒に見に行こーぜ」
おい、何ナチュラルにデート誘ってんだ
蘭「別にいいじゃん。気になるなら付いてくればぁ?」
当然
(…うーん、さっきのこと何か気になるなぁ)