出た!線香花火!
オレ苦手なんだよなー…

蘭「オマエすーぐ落とすもんな」

逆に兄貴は長く保たせるの得意だよな
なんかコツとかあんの?

蘭「さあ?そんなんねーけど。強いて言うなら動かないことか」

あー…確かにオレ、ソワソワ動いちまってるかも

蘭「気ィ短えからな」

うぐ…っ

(三人の線香花火に火をつけて、じっと動かず手元を見つめ続ける。
ぱちぱち、と線香花火が弾ける音が聞こえ始めた)






…。

竜「…」

…なんか、コレやってると黙っちまうな

竜「ああ…」

(蘭がチラッとこっちに視線を移した)

……やっぱイイな
線香花火してる女の人って、穏やかで優しい顔してる

綺麗だ

(私を見る彼のほうが余程穏やかな表情をしてるが、次の瞬間蘭の線香花火の火玉がポトリと落ちた)

竜「…!! あーッ、兄貴の落ちた!やっりィ!オレのが長く保っ(ポトッ)

……あ、」

ははっ!バーカ、人の不幸を喜ぶからだ

竜「チクショ〜ッ…

ん?でもまだ○○のが燃え続けてんな」

ホントだ。○○さん上手いなぁ

(…二人の視線がいっぺんに私の手元に集中して、緊張してしまう)

今のうちに○○さんの写真撮っとこ
生のほうがキレイだけど、携帯の画像で見ても悪くないだろ

竜「あっ狡ィ!オレも!」

(え!?や、ちょっと…あっ)
(蘭に続いて竜胆もこちらに携帯を向け始めたので焦って手を揺らした途端、火玉が落ちてしまった)

竜「あーあ。何やってんだよ」

残念だったなぁ。ま、俺らの中で一番長持ちしたからそれだけでも凄えよ

竜「そうだなー。ドンマイ!○○」

(背中をポンと叩かれて励まされた。なんか複雑…)

さ、じゃあ花火も終わったしそろそろ帰るかぁ
竜胆片付けヨロシク

竜「はぁっ!?バケツに水入れたり準備したのはオレだろ!片付けくらい兄貴がやれよ!せめて手伝え!」

チッ、しゃーねーな。そこまで言うなら手伝ってやるよ。ほら、それ貸せ

(結局三人で後片付けをし、途中でアイスを買って帰った。
蘭に買ってあげたアイスなのに、彼は一口しか食べず残りを私と竜胆に分けてくれた)
分かった分かった。買ってあげるから…あ、残りは線香花火だけだ