竜「そうだな。七夕日和?っつーの?」

蘭「でも正直ここからじゃ星なんてほとんど見えねえけどな。都会のド真ん中だから」

竜「ま、いいんじゃね。こういうのは気分が大事だろ」

蘭「俺、七夕の日に星見たの初めて」

竜「右に同じ。オレの場合、普段から空見上げるなんてまずしないからなぁ」

蘭「六本木じゃ夜空の星よりビルやネオンの光のが眩しいしな。…まあ、たまにはこういうのも悪くない」

(いつか、三人で綺麗な天の川見たいね)

竜「…」

蘭「…。遠出して?」

竜「また山行ける?兄ちゃん」

蘭「山じゃねえと無理なの?天の川見んのって」

竜「さあ…でも天体観測っつったらやっぱ山じゃね?」

(別に山じゃなくても見れるけど、出来るだけ都会から離れた余計な明りがない場所に行かなきゃ)

蘭「虫少ねぇトコならどこでもいいや」

竜「決まりだな。来年?再来年?いつになるか分かんねえけど、三人で行こ」

(両隣の兄弟から同時にぎゅっと手を握られた。竜胆には力強く、蘭には優しく指を絡め取られる)
今日、晴れて良かったね(七夕の夜)