ハァ…ッ、お待たせ
ゴメン、アイツらをボコしてる最中に警官来ちゃってさ。捕まりそうになったから慌てて逃げてきた
たぶん今頃向こうでオレを探してると思う…
(どうやら大騒ぎになってしまったらしい)
(そっかぁ…それじゃあ、ここにはもうこれ以上いないほうがいいね)
…! ゴメン!!
ほんっとーにゴメン!!
オレのせいで…
(地面に膝をつけ、土下座するように謝る竜胆)
(や、やめて!そんなことしないで!
どうして君が謝るの?竜胆くんは私を守ってくれたでしょ?)
……そうだけど…、そうじゃないんだ
オレは…!
蘭「竜胆」
!
(兄の声で静止する竜胆。蘭の冷え切った目と視線が合って、竜胆はそれ以上何も言えず黙って俯いた)
蘭「○○さん。コイツ疲れたみてーだから、そろそろ帰ろう。
…花火は…帰りながら少し見れるかもしれないだろ。ダメだったらまた今度、別んとこで見よう」
(うん、そうだね。竜胆くん、立てる?)
あ…うん
(あなたがニコニコ笑いかけると、竜胆は「……何?」と不思議そうに問いかけた)
(守ってくれてありがとう。いっぱい頑張って疲れたでしょう?
帰ったらお家でゆっくりしようね)
(あなたが微笑みながらそう言うと、竜胆は驚いたように目を見開き、ぐっと唇を噛んで下を向いた)
……うん……、ありがと
(涙声の竜胆に驚いて「ど、どうしたの?泣かないで」とあなたが気遣うと「泣いてねえよ」と目を擦りながら答えた)
…。
(蘭は、背後の二人の会話をただ黙って聞いていた)