(…)






ハー…ここまで来たら安心か
○○さん大丈夫?ゴメンな、無理やり引っ張っちまって。腕痛くねえ?

(蘭があなたをベンチに座らせる)
(私は大丈夫…でも竜胆くんが、)

だから、アイツは大丈夫だって
俺ほどじゃねえけど竜胆だってそこそこ強えんだから。そこら辺のチンピラになんか負けねえよ

(そこらへんのチンピラ…)
(さっきの二人組を思い出し、今になって体が震え出す)

(…蘭さん、あのね。実はさっきの二人…私知ってるの。竜胆くんと再会した時、私…あの人たちに襲われてたの。トイレに連れ込まれて…むりやり…)

…。

(まさか、こんな所で会うなんて思わなかった。
…どうしよう。竜胆くんは私には近寄らせないって言ってくれたけど、またあんなことが起きたら…っ!)

(トイレでの出来事がフラッシュバックし、恐怖と動揺でハァハァと呼吸が乱れる)

っ…○○さん!落ち着いて!
大丈夫だから…!今はもう竜胆も俺もアンタの側にいるんだしさ、さっき竜胆がアイツらをぶん殴って、今もボコボコにしてる最中だろうから…きっと、いやもう絶対○○さんの前には現れねえよ!

(ぎゅう、とあなたを強く抱きしめ「本当に大丈夫だから…」と呟く蘭)

(…ほんとのほんとに?)

ホントのホント。俺が○○さんに嘘言ったことなんて……あるか。あるな、何回も

(そう自虐的に言う蘭に思わず吹き出すあなた)
(蘭さん、ウソつきだ)

……うん。俺嘘つきのサイテー野郎かも

思い返してみたら俺、アンタに嘘ばっかついてるな

(でも、優しいよね)

…。

(竜胆くんも蘭さんも、二人ともとっても優しい。こんな私にどうしてこんなに優しくしてくれるのか分からないけど…すごく嬉しいよ。ありがとう)

……。

(私、二人と知り合えて良かったなあ。

…今日は私のせいで迷惑かけちゃったね。せっかくの楽しいお祭りだったのにごめんなさい。
あとで竜胆くんにもちゃんと謝らなくちゃ…)

いい

…いいよ。謝ったりなんか、しないで

アンタは何にも悪くない



…何にも、悪くないんだよ…

(そう言ってあなたを抱き締める腕に力を込める蘭。
「ちょ、ちょっと蘭さん…痛い…!」とあなたが抵抗しようとした瞬間、)

「おーい、○○!と兄ちゃん!」

(遠くから竜胆が走ってくるのが見えた。

蘭から離れ、こっちだよ!と手を振るあなた。
「俺はついでかよ…」と蘭はブスッとして言った)


二人ともお待た…せ…?1