……あ。なぁ、アレ…

(デートの帰り、灰谷家へ向かうまでの道を二人で歩いてると竜胆が前方で何かを発見。どうやら地面に落ちたセミらしい)

(し、死んでるのかな?)

どうだろ。近づいて、実は生きてましたってパターンもあるからなぁ








いーこと考えた

なぁ、○○?オレと『賭け』しねぇ?

(賭け…?)

うん。あのセミが生きてるかどうか賭けようぜ
で、負けたほうは勝ったほうの言うこと聞ける範囲で何でも聞く

どう?

(そう悪戯っぽく笑う竜胆)

(うーん…いいよ。あんまり無茶なお願いはナシね?)

オッケ。ならオレは『生きてる』に賭けるわ

(じゃあ私は『死んでる』で…)

(そう言って二人でゆっくりセミに近づく。…本当は近づきたくないけど、帰り道なのだから仕方ない)

(すると…)



ジジジジジジ!!!



(ギャアアア!!)

(突然バタバタと動き出し、何故か私のほうに向かって飛んできたセミに悲鳴を上げ、腰を抜かしてしまった)






アハハハハッ!お前っ…今の顔やべえ…ッ!

(しかもキャーとか可愛い悲鳴じゃなくてギャーだってwww腰まで抜かしてるしwwwと腹を抱えて笑う竜胆。

怒りたいが今はそれどころじゃない。セミはどこかに行ったけどまだ心臓がバクバク言ってる…力抜けて立てないし…)

(び、びっっくりした…なんでこっちに来るのぉ…?)

○○、いい匂いだからなぁ。オレがセミでもぜってーお前のほう行くわ

(嬉しくないよ…)

(立てるか?と言って肩を貸してくれる竜胆に掴まってゆっくり立ち上がる)


あーあ…負けちゃった
セミファイナル