(…)






……この指輪さ、いくらしたの

(泣き止み、鼻をズズッとすすりながら尋ねてきた。今度は目元が赤く腫れている)

(うーん……ナイショ)

何だよそれ

(だって恥ずかしいんだもん。…あんまり高価なものじゃないから)

(りんちゃんに「大したことねーな」なんて思われたらショックだし、と小さな声で付け加えたら眉根を寄せて睨まれた)

お前、バカじゃねーの?
んなこと思うかよ。好きな女から結婚指輪渡されてそんなこと考える男なんてクズじゃん

(でも、りんちゃんは私よりずっとセレブだから…)

ウルセー。今はそんなこと関係ねえんだよ
いいから教えろって。いくら?大体でいいから

(……私の一ヶ月のお給料より、ちょっと多いくらい)

ふーん。じゃあ30万前後ってところか

スゲエじゃん。オレのためにこんな綺麗な指輪、自分の一月分の給料より高いのに買ってくれたんだろ?

(「オレ、凄ぇ愛されてる」と嬉しそうに笑う竜胆。…ちょっと恥ずかしい)



りんちゃん、左手出して1