(…)




…お待たせ。熱いから、気をつけて

(うん…ありがとう)

【彼が目の前に置いたかぼちゃのポタージュはパセリが散っていて、美味しそうに見えた。はい、と渡されたスプーンで掬い、湯気の立つそれに息を吹きかけてから口の中へ運んだ】

(……おいしい)



【思わず、ほう、と息を吐くと彼の表情が明るくなった】

良かった…

(…りんちゃんがキッチンに立ってるとこ、久しぶりに見た)

…うん。最初かぼちゃの切り方も分かんなくてさ、ほら

(! …大丈夫?)

【彼の指に絆創膏が何枚も貼られていることに、今気付いた】

かぼちゃなんて初めて調理したよ
包丁とピーラー使うのも久々で…ほんと、情けないな

(……ありがと、ね)

礼なんか言わなくていいんだよ
…オレ、これくらいしか出来ないんだから

礼なんかいらないけど、○○にひとくちでも食べてもらえればなぁって思いながら作ってたから…嬉しかった
ありがと。…また、作ってもいい?

(……うん。作って)

【あなたの言葉に、竜胆は嬉しそうに微笑んだ】
▼食べたくても食べられないの。…あなたが一番分かってるでしょ?2