【その日の夜、あなたは彼らの部下が用意した食事を摂り、リビングのソファに横になってうとうとしてると、玄関のほうから音がした】
……何、まだ起きてたの?
(…彼だった。顔に疲労が滲み出てる。…いつものことだけど)
(帰って、きた。帰ってきてくれた。日付が変わる前に)
【彼はあなたにひとこと声をかけただけですぐ寝室へ向かって行った。ドアの間から覗いてみる。脱いだスーツのジャケットをハンガーにかけたりネクタイを外したりしてる】
……何だよ?
【何か用?と気怠げに目だけでこっちを見てくる】
言いたいことあんならさっさと言えば
(あ……)
【…さっき彼が帰ってきたとき、時計を確認したら日付が変わる10分前だった。きっとそろそろ0時になってしまうだろう】
(……あの、ね)
だから、何?
【イライラしたように声を荒げられて少し悲しくなったけど、それでも手をぎゅっと握って口を開いた】
……っ、お誕生日、おめでとう