(蘭があなたのほうを見て立ち止まり)

竜胆、ちょい待ち

竜「あ?何だよ」

○○さん、ちょっとゴメンね

竜「…あッ!?何やってんだよ兄貴、急に…」

うるせぇ。いいから黙ってついてこい

竜「…?」

(竜胆は不服そうな顔をしながらも、あなたを横抱きにしてどこかへ歩き始める蘭についていく)






ここでいいか。○○さん、下ろすよ

(ベンチの上にあなたを下ろし、その場に跪く。
竜胆が「どうしたんだよ兄貴…」と声をかけるけどそれには無視してあなたの足に手を添え、履いていた下駄をゆっくり脱がせる)

竜「……! それ、」

やっぱりな。変な顔して変な歩き方してると思った

竜「血ィ出てんじゃん!!どうしてもっと早く言わなかったんだよ!?
○○が言ってくれたらオレ…」

竜胆

竜「!」

お前さっきから声でけえんだよ。もっと静かに話せねーのか?

竜「……、…ごめん」

(兄に怒られ、竜胆は気まずそうに俯く)

○○さん、痛いだろ。ちょっと待ってろよ

竜胆。お前近くのコンビニで消毒液とバンソーコー買ってきて

竜「……分かった」

(走ってコンビニへ向かう竜胆。蘭はすぐ近くの自販機で水を買って、その水をあなたの怪我してる足にゆっくりかけ始めた。
水の冷たさと傷の痛みに思わず小さく声を出したら「ワリ。少し我慢してて、傷口洗い流さなきゃいけないから」と蘭が言った)

(…ごめんね)

なんで謝んの?

(だってせっかくのお祭りなのに、こんな迷惑かけて…)

そんなことねえよ

(食い気味で答えて、懐から取り出したハンカチであなたの濡れた足を拭く蘭)

迷惑なんて欠片も思ってない
アンタの勝手な想像で誤解されるほうがよっぽどメーワク

…俺も竜胆も、怒ってなんかいねえよ
ただ心配してるだけ


(鼻緒擦れが痛い…)