(彼が眉間にシワを寄せながら足元にじゃれついてくる猫を見る)
(蘭さん、顔怖いよ。そんなんじゃ猫ちゃんが怯えちゃう)

…さっきからこんな顔してるのに怯えるどころか俺んとこに集まってきてんだけど

(あらホントだ。不思議。もしかして仲間だと思われてるのかな?)

冗談じゃねー…

あっ、オイてめえ!
俺の女に何媚び売ってんだ。コロスぞ

(そう言って私の体に顔を擦り付けてきた一匹にガンを飛ばす蘭。
猫はそんな彼を見て呑気に「にゃあお」と鳴いた。蘭の眉間のシワが深くなる)

(好きなとこに行っていい、と言われたのでお言葉に甘えて前からどうしても行きたかった猫カフェにやってきた。
私が猫カフェと言った瞬間、蘭は少し顔をしかめたけど自分が「どこでもいい」と言った手前、文句を言わず黙って付いてきてくれた。

自分の誕生日なのに、意外と律儀なんだなと感心した)






あーあ…服が毛だらけ

(猫と遊んでると隣からそう聞こえたので振り返ってみると、意外なことに彼は私のほうを見ていた。
下を見ると…確かにさっき買ってもらった服が猫の毛だらけになっている。黒を基調としたスタイルだから正直かなり目立つ)

(あ…ゴメンね、買ってくれたばかりなのに)

そんなんどーだっていいけど
でもせっかく似合ってたのに、猫なんかに汚されるなんて…

(不満げな顔をする蘭に「お店出るときにコロコロ貸してもらえるから大丈夫だよ」と伝えると「コロコロ…」と呟き、更に顔をしかめてしまった。
普段セレブな生活を送っている彼には分からないかなと思い、コロコロって言うのはね…と説明しようとすると「それは知ってる」と私の言葉に被せてきた)

…まあ、いいや。○○が楽しそうだから
でもここにいる奴らにあんまり懐かれないようにな

(どうして?と尋ねると「どうしても」と返ってきた)


(まあ、今日だけなら…)3