飯なんだけど、店は俺のお任せでいーい?
(うん、と若干緊張しながら返すと私の心を見透かしたのか「大丈夫。ガチガチの高級レストランみたいなとこには連れてかねぇから」と言ってくれた)
イタリアンにしようと思って。パスタとかピザとか好き?
(好き!と今度は勢い良く答えると蘭は嬉しそうに「決まりだな」と笑った)
(蘭は先に自分の食事を終え、私が食べているところを頬杖をついて眺めている。
彼はお皿に少なめに盛られたジェノベーゼパスタとカプレーゼのみ注文し、私にはアレも美味いよコレもオススメなどと言って次から次へと勝手に注文し始めた。
たぶん私が止めなかったらもっと大量の料理が運ばれていたと思う)
(食べているところをじっと見られているので、料理は美味しいのに食べづらい。
よく食う女だと思われているだろうか。でも微笑んでいるように見えるから引かれてはいない…はず)
(あの…蘭さんはもう食べないの?)
うん、俺はこれで充分。○○が美味そうに食ってる顔見るだけで腹一杯
(何だか恥ずかしくなって俯く)
…ああ、ゴメンゴメン
俺のために選んでくれた服着ながら飯食ってるとこ見てたら、なんか嬉しくなっちゃってさ
可愛いなぁって
こんな可愛い女と今日一日過ごせるなんて、俺は世界一の幸せ者だ
ありがと、○○
おかげで最高の誕生日になった
(…そう言って微笑まれると、こっちはもう何も言えなくなってしまう。
私の代わりに隣のテーブルの女の子たちが頬を染めてくれた。ぽーっとした顔で蘭を見ているが、その彼は私から片時も目を離してくれない)
(スープまで全部飲み終え、満腹のお腹をさすると「○○、デザートもあるよ。ここで人気なのは定番だけどティラミスとかかな」と蘭がメニュー表を見せてきた。
デザート…!)
(思わずキラキラした目をしてしまい、それに気づいた蘭が店員さんを呼んで「ティラミスひとつ」と注文してしまった)
甘いものは何ちゃらって、ホントなんだな
(からかうようにクスクス笑われて顔が赤くなる)
なぁ、ここ出たらどこ行くか決めてる?
服もメシも俺の希望通りにしてくれたからさ。今度は○○の好きなとこ行こうぜ
(蘭にそう言われて、運ばれてきたティラミスを食べながら考える。
それじゃあ…)
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