悪いな、わざわざ来てもらって。っても、オレが呼んだんだけど……
あ！ その辺り気ィつけろよ！ 踏むとくっそ痛ェのあっから！！

何とか一時間で間に合わせようとしてたから、あっちこっち色々出しっぱで……
人呼ぶ状態じゃねーよな、ほんと悪ィ。


で、呼んだ理由なんだけどよ……
ちょっと手、出してくれるか？

(どこか気恥ずかしそうな言葉のままに手を差し出せば、細い鎖がそっと置かれた)
(これは……ネックレス？)
(つまみ上げてみると、中央の辺りにはレンチのチャームが下がっている……)

気に入ってもらえるかはわかんねーけど、その……いままでのお礼？ みてーなアレで作ってみたんだ。
鎖の長さが丁度いいのなくて幾つか接いだから荒めかもしんねーし、長すぎるかもしんねーけど……受け取ってくれたら嬉しい。

「もちろんもらうけど……いいの？ 左右田くんの誕生日なのに……」

その辺りはいーんだよ！
オメーがそれつけて笑ってくれんのが、今の一番だ！！

(つまんだままだったネックレスのチャームをよくみると、口部にはナット型に整えられた綺麗な石がはめられている。これも左右田くんがやったのだろうか)
(ネックレスを着けてみると、確かに少々長くはあるものの、スパナのチャームが胸元できらきらと輝いていた)


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