失礼しましたー。

(声と足とを揃えてお辞儀をして、そして職員室を出る)
(校舎を出れば、あとはもう寄宿舎に向かうだけ。それはいつもと何も変わらないはずなのに、どこからともなく寂しさがこみ上げてきて)


……●●?

(振り向きながら言った、三歩先の左右田くんの隣へは小走りで)
(「なんでもないよ」と返せば、彼の首は僅かに傾いた)

(大丈夫、なんでもない。気のせいだ)
(きっと明日からも、変わらない毎日が続いていくはずだから)





「これは、絶望で終わるはずだった希望のお話」

つかの間の希望。