いらっしゃいませ~!
……あれ、なぁんだ。驚いてくんないの?
センパイ冷たーい。
(開いたドアの先、どこかの屋上にいたのは78期の江ノ島盾子)
(それから……見覚えのない、長い黒髪の人影も離れたところにあった)ちょっとー?
余所見してないで、こっちこっちぃ~!
この超絶美少女である私様がら目を逸らすとは、不敬も甚だしい悪逆ですね。
(……まさか、この生徒が、校舎を燃やして予備学科生を扇動した犯人、なのだろうか)はい、そうです……折角こんなにもヒントをバラまいていたのに……
センパイったら、全然構ってくれなくて……とても、ショックでした……
けどよォ! こーんなメラメラ燃えてンなら来るよなァ、来ちゃうよなァ!!
(なぜ、どうしてこんなことを)
(走りに走った後の喉は言葉を形にする準備を整えておらず、けれど全てを理解しているかの少女はどこからか取り出した眼鏡を装着した)えぇはい、教えて差し上げましょう。貴女は貴女の役割を知らねばなりませんから。といっても理由は単純明快、楽しいからです。
楽しくて愉しくて娯しくて
絶望しくて堪らないので、このタノしさを77期の皆さんにも分けて差し上げようと思い、そして洗脳しました。
(ころころと話し方、見た目を変えながら語る彼女は本当に楽しそうで、後ろに背負った燃え盛る校舎がその異常さを更に煽っていく)けどねー、一人ひとりちまちまやってたら飽きちゃってさー。
そしたら……うぷぷ、ボクは思い付いちゃったんだぁ。“仲間ハズレ”がいた方が、とっても絶望的になるんじゃないか、ってさ!
だから……ねぇ、センパイ?
(ぬいぐるみの影、眼鏡の向こう、笑顔の隙間、にっこりと細められたのは捕食者の瞳)どうか、そのやっすいクラスメイトのキズナ、証明してみせてくださいなっ☆
(彼女が言い終わるより早く、弾かれるように逃げ出した)→