(その後、日向くんの案内のお陰ですんなりと資料室は見つかった)
(そのことに礼を言えば、なぜか「こちらこそ」と返されたりもして)
(そのまま見送りまでしてくれるあたり、結構なお人好しらしい)
……なんか、本科の生徒って変人ばっかって話だけど、●●みたいな普通のヤツもいるんだな。
(普通……普通なのだろうか?)
(まぁ、クラスメイトと比べればまだまだ普通の範囲か。たまに爆発するし)
え、ばく……?
(思わず聞き返した様子の呟きをスルーして、見えてきた本科の入口につま先を向ける)
(そこから先には入れない日向くんを振り向いて、改めてお礼を言えば、彼の眉は力なく下がる)
……別に、そんな大したことはしてないよ。
それじゃあ、●●。
……また、どこかで会えたらよろしくな。
(……そうして去っていった、黒いスーツに似た予備学科の制服を見送る)
(あれが、噂の被験体くんかぁ……)
■終わりの欠片