(走って、走って、走って)
(黒服に回り込まれ、炎に嘗められ、それでも走り続ける)

(知らない道、知らない階段)
(いつか炎に呑まれるだろうことも、予備学科の生徒たちが陽動だろうことも分かっていた)
(分かっていたけれど、それでも私には、関わろうとしなかった私には、階段を昇りきった先、目の前の扉を開く以外の選択肢はなかった)





■炎よ燃えろ