(完全とは言えなくとも、その時点での万全を期していたはずのプログラム、プロテクト)
(しかし現実とは残酷なもので、亡きプログラマーのものを参考にハッカーが組み立てたそれは、内側から蝕まれてしまっていた)
(現れるはずのなかったモノクマは“見せしめ”としてウサミ──奴に改造されたためにモノミという名に書き換えられていた──に銃口を向ける)
(ウサミは、この修学旅行の引率者だった)
(そうあるように私たちが作り、育て上げた)
(いわば、子のようなもの)
(その行動は咄嗟だった)
(モノクマに改竄されたあの世界では、死が本当になることはわかっていた)
(それでもウサミを守るべく、私は一歩を踏み出して)
(次の瞬間、残機もないただの人間は可哀想に、無惨な肉塊と化す)
(そして●● ○○はコロシアイ修学旅行から脱落)
(コロシアイを止めるもの、真実を語れるものがいなくなったまま、地獄の疑心暗鬼の幕が切って落とされたのだった──)→
∵終わりの話