……別に、あいつを庇ってるわけじゃないよ。
ボクが言えたことじゃないけど、バクラはやっぱり悪いやつなんだと思う……遊戯達に協力してるボクの立場からしたら、キミがあいつとそういう仲になってるのは止めるべき事なんだろうね。
キミがこの事を知ってるか分からないんだけど……前に、ボクのせいでボクの闇人格がキミ達みんなに迷惑をかけた時。
あのとき、体を乗っ取られてたボクがバクラのところに居たときがあるんだ。
つまり、バクラの宿主……獏良了の体に、ボクの人格とバクラの人格があったって事なんだけど。
そのとき、偶然……バクラの意識の中の、「キミへの気持ち」を見つけたんだ。
復讐とか闇との契約とか、そんな黒くてどろどろした気持ちが渦巻いてる中で……「キミへの気持ち」だけは、淡くて優しい光に包まれてた。
それを見たときに、バクラは本当にキミの事が好きなんだって分かった。
……庇ってるわけじゃない。
でも、ボクが大好きなキミが、本当にバクラと思い合って、幸せでいるのなら……それをみんなに言ってしまうなんて事は、ボクには出来ないよ。
……なんて、長々とごめん。
でも、……そういうことだから。
何でマリクはバクラとのこと黙ってくれるの?