(この者が………私の許を去ると告げた時、

 果たして私は……闇音を快く送り出せるのか……?


 それが、闇音にとって最善であると知りながら、
 私はその腕を引きとめる醜さを晒すのかもしれん。



 ……………その刹那を脳裏に浮かべるだけで、
 何故こうまでして、この者を座敷牢に幽閉したいと……

 私の手が届く距離に留めておきたいのだと、
 粗暴な結論に至るのか……。)


無言でいる